楽しむ No,6 2002年12月号
2002.12.20
楽しむ No,6 2002年12月号 著者:村石孝枝 写真:オホーツクドットコム

楽しむ No,6 2002年12月号


 一年に何回かは 小旅行をすることにしている。それもタダで・・・

「何それ クイズに当たったとか 懸賞マニアってやつ?」と聞かれそうだけれど 半分は正解!

でも「ただ当たるのを待つ」という種のものは 自分とは相性が悪いように思う。だから宝クジも買わない。(イヤ イヤ この道にタケている人に聞くと これも「深い」らしいですが・・・)

私が実行しているのは 全国各地で行われている お料理コンクールに参加することだ。自分の好きなことに 少しの努力をして運を引き寄せる。これが楽しい。

最初にこれを経験したのは 当時小2だった娘だ。喘息の持病を持っていたので よく学校を休んで暇そうにしていた。

たまたま新聞で見つけた 子供のお料理コンクールに「こんなのあるけど出してみない」と すすめたのがきっかけだった。娘は5歳くらいから料理に興味を持ち 小学校に入学する頃には カレーぐらいは作れるようになっていた。

楽しむ No,6 2002年12月号 著者:村石孝枝 写真:オホーツクドットコム

この時の会場は 札幌だったのだが 子供と保護者2人分の宿泊と交通費は主催者の負担だった。娘との はじめての2人旅は今でも とてもステキな思い出になって残っている。

「これは いいかも。本腰入れてやってみようかナ」以来 私達家族のライフワークの1つになっている。

知床は 道東の端っこにあるから どこへ行っても 旅行気分が味わえる。

会場は だいたい東京や大阪などの大都市が 多いから こちらとは環境がまったく違う。知床は流氷いっぱいの真冬なのに 飛行機を降りたら なんと春爛漫で桜が咲いていたり 逆にセーターを着込んでいったら あちらは まだ 半そでで大丈夫だったりもする。

最初は このギャップに驚いてしまったが このごろは それを楽しめるようになった。でも 本選で現地へ行って実技審査を受けるには まずはオリジナルレシピを書いて 書類審査を突破しなければならない。

料理の世界にも 食材や盛り付けに流行はあるから常にアンテナを張り巡らせて「旬」をキャッチできるようにする。

それと 今 自分が住んでいる この地域 北海道や知床という環境を大切にしたいし同時に それを 国に「食」を通じてアピールしたいという気持ちが芽生えて来た。

昨日 東京から帰ったばかりなのに もう次に向けて新しいレシピを考えている・・・

ほとんど ビョーキの世界です。



著者:知床四季のエッセイ 村石孝枝(アトリエ夢民)
写真:オホーツクドットコム
1枚目:サロマ湖 常呂町栄浦 11月
2枚目:虹の滝 置戸町常元 10月

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秋に想う No,5 2002年11月号
2002.11.20
秋に想う No,5 2002年11月号 著者:村石孝枝 写真:オホーツクドットコム

秋に想う No,5 2002年11月号


 秋が好きだ。一般に自分の誕生月のある季節は「ラッキー」だといわれているが、私も例にもれず、一年のうちで自分にとって し・あ・わ・せと思える出来事は、秋に集中している。

私の生まれ月は、9月で秋の初めだが、知床の秋は8月中旬には始まる。

今年は冷夏で8月でもストーブを炊いていた日が多かった。その分どうかはわからないが 9月、10月は比較的暖かい日が多かったと思う。

秋の初めというのは独特のはかなさがある。去ってしまう夏をいつくしみながらそれを追いかけるように始まる静かな秋・・・

少女が大人になる時のように さみしさと華やかさの入りまじった一瞬の美しさがあって1年の中で最も好きな季節だ。

10月になると秋が本格的に深まり それまで庭先で元気に成長していた雑草達の力が急速に衰える。秋の草花のいぬだてやレース草の可憐なたたずまいは深まる秋によく似合う。

レース草はかすみ草に似た小さな白い花でよく晴れた日の午後 ふっと窓の外に目をやると庭全体を白いレース編みでおおわれたように咲いていたりする。

秋に想う No,5 2002年11月号 著者:村石孝枝 写真:オホーツクドットコム

なんとも しあわせな家庭のかおりがして「いいなあ」と思う。11月に入ると知床連山は白く染まりオホーツクの海は連日荒れ狂う。平地でもみぞれやあられが時々降りる。

いつ初雪になるか わからない緊張感の中でダイコン干しをして漬け物を漬けたり 山ぶどうを採って来てジャムやジュースを作りカボチャをスープにしてひと冬分冷凍する。

この頃では越冬野菜などという言葉も死語になりつつあるが 私は毎年農家の友達から大根、人参、じゃがいもなどを越冬用として大量にもらう。

それを地下室の所定の場所に納めると「冬ごもり」の準備ができ上がったようで落ち着く。「これで吹雪で4,5日道が空かなくても大丈夫」などと1人で悦に入るのだ。

秋の仕事のしめくくりとして家じゅうのフローリングに3日間かけてワックスがけをする。

雪のない地方なら年末の大掃除の時でも十分だが 雪深い知床では空気の乾燥しているこの時期に終わらせるのが鉄則だ。

ついでに大掃除を兼ねて家の中をひととおり磨き上げ 自己満足に浸っていると山の方からチラリホラリと初雪がおり長い冬を迎える。



著者:知床四季のエッセイ 村石孝枝(アトリエ夢民)
写真:オホーツクドットコム
1枚目:サンゴ草 網走市卯原内 9月
2枚目:白鳥 網走市北浜白鳥公園 3月

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2002.10.19
自然観察会INルシャ No,4 2002年10月号 著者:村石孝枝 写真:オホーツクドットコム

自然観察会INルシャ No,4 2002年10月号


熊に対するイメージは「怖い、猛獣、大きい」といろいろだが、どれも当たっていると思う。でも今回「自然観察会INルシャ」に参加して、印象は少しずつ変わりつつある。

カムイワッカ湯の滝を越え、知床大橋よりさらに奥へエンジンが焼き切れそうな山道を車で30分断崖絶壁や原生林をくぐり抜け、「未知の土地」ルシャの番屋に到着した。こちらの意気込む気持ちが相手に伝わってしまうのか前半はなかなか熊の姿を観ることはできなかった。

半ばあきらめかけて、子供達と番屋の方々の温かい心尽くしに感謝しつつ昼食をとっていると「あ、熊だよ、あれ!」一斉に外へ出たこちらの、慌ててビデオやカメラをセットする姿に比べ熊は驚く程さり気ない。

よく熊には「雄大な」とか「悠々と」などの形容詞が使われるがそういう言葉はあまり似合わない。ルシャの熊はあくまでもさり気ないのだ。

みんなで一頭に集中していると、海岸にもう一頭がフラリフライとおりてきた。こちらは全身が栗色で頭の上の部分は金髪がかかって見えた。私はこの時熊の色が黒一色でないことを初めて知った。

先の一頭は浜に打ち上げられたイルカの死骸を食べに来ていたのだが、後から来た金色の熊がえさを見つけても奪い合ったりはしない。ちゃんと順番をまっているのだ。その姿には謙虚さえ感じてしまう。

自然観察会INルシャ No,4 2002年10月号 著者:村石孝枝 写真:オホーツクドットコム

そういえば出発前に自然センターの方から聞いたお話の中に「熊は犬歯が発達しているものの奥歯は草食動物と同じ形の臼歯を持っている。」と言われたのを思い出した。「からだの割にはあごも小さいし、意外と優しい感じ・・・。」

そんなことを考えながら前方を見ると番屋に近づき過ぎた先ほどの一頭が「ホレ!ここに来るんじゃない!」と漁師さんに叱られている。

「熊を叱る人!?」映画の中のワンシーンのような出来事になんだかだんだん現実離れした世界に入り込んでしまった。

私の知人に熊と「森の中を30分程一緒に歩いたことがある」という人がいる。その話を聞いた時にはとても信じられなかったけれど、この光景には「そんなこともあるかなあ」という気持ちになるから不思議だ。

私にとっては知床大橋のゲートを通り抜けただけでも冒険だったように一歩でも自然に深く足を踏み入れてみると、現実離れだと思っていたことが実は真実だったり、その逆も考えられる。

そして熊も人も、いろいろな動物も花や木も同じように この知床に生息していて、それは自然を作り上げている大切な一部分なのだと改めて気付いた。



著者:知床四季のエッセイ 村石孝枝(アトリエ夢民)
写真:オホーツクドットコム
1,2枚目:ヒグマ知床 10月

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2002.09.19
輝いている No,3 2002年9月号 著者:村石孝枝 写真:オホーツクドットコム

輝いている No,3 2002年9月号


「浜にイワシが来ているよ」友達から連絡がはいる。「うん ありがとうすぐ行く」これだけで話が通じる。

さっそく長靴、軍手、バケツの浜の3点セットを持って浜辺へ急ぐ。車で2,3分の何時もの場所に着くと イワシ仲間がもう大勢集まっていた。時間は夜の10時過ぎ。車のライトで照らしてみると全体が銀色に見える程イワシは来ていた。浜に降りてイワシを両手ですくってみる。まるで海底から魚が湧き出ているように次々と上がってくる。

「ああ 今年もまた来てくれたんだね。待ってたよ」思わず頬ずりしてしまう程懐かしい匂いと感触だ。もちろん釣り針などはいらない。いくらでも手づかみで獲れる。バケツ1杯は10分もかからない。

毎年ほぼ同じ時季に オホーツク海はここに住む私達にとんでもないステキな贈り物を届けてくれる。それは年に何回かあって 嵐の後の「コンブ」だったり、秋の終わりの「サンマ」であったりする。産卵の為にやってくる この片口イワシの大群もその一つだ。

輝いている No,3 2002年9月号 著者:村石孝枝 写真:オホーツクドットコム

夏の間のほんの2,3日だけ。時間も午後10~12時頃に限定される。それを過ぎると もうたったの1匹もいない。見事なまでの団体行動だ。このイワシの大群の動きをうまくキャッチするにはタイムリーな情報が大切となり いつの間にか仲間うちで「イワシ連絡網」なるものができつつある。

知床に住んで、普段はめったに海に行ったりしない。だけど 心の中には海に憧れる気持ちは何時もある。
イワシの大群の訪れは そんな自分の中にある小さな欲望を満たしてくれるきっかけを作ってくれるのかもしれない。

この日ばかりはドップリと海につかり やって来た海の贈り物を有り難くいただくのだ。

そんなこんなで 1時間程夢中でイワシと格闘していると 両手に山盛りのバケツを持った友達が、「そろそろ帰ろうか」という。「そうだね」と言いかけて彼女の顔を見るとなにやら美しい・・・。

月の光を浴びて艶めかし程だ。顔や髪だけではなくて 全身ラメのベールをかけたようにキラキラしている。

「輝いているよ」というと 「お互いにね」と返してきた。見ると全身にまんべんなく付いたイワシのウロコが光に反射して それはそれは美しい虹色に輝いていたのでした。



著者:知床四季のエッセイ 村石孝枝(アトリエ夢民)
写真:オホーツクドットコム
1枚目:鮭遡上斜里町遠根別 10月
2枚目:親子鹿知床岩尾別温泉ホテル地の涯 6月

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2002.08.19
笑顔の秘密 No,2 2002年8月号 著者:村石孝枝 写真:オホーツクドットコム

笑顔の秘密 No,2 2002年8月号


 夏の知床には、たくさんの観光客が訪れる。それまで静かな漁村だったこの村があの「知床旅情」で大旋風を巻き起こして以来、ブームの大小の波はあってもやはり知床は道東の観光の拠点だ。

半島の付け根にあたる斜里町から東へ約40km。

反対側の羅臼町が漁業の町なのに対して、ウトロは漁業と観光が約半数だ。断崖絶壁の海岸線とその後ろには「未開の地」と云われる原生林が そびえ立っている。

このウトロで我が家は小さな木彫り店をやっている。

真夏に訪れる お客さんとは、そんなに長い時間は話しをすることはできないけれど、それでも時々、本当に小説のような ドラマのような お話に出会うことがある。

先月も50歳前後の一人旅の男性でフッ切れたような明るさのある方だった。

笑顔の秘密 No,2 2002年8月号 著者:村石孝枝 写真:オホーツクドットコム

夕方「こんにちわ」と笑顔で お店に現れた。

「こんにちわ。お元気ですね」

と思わず声をかけると

「そうかい・・・実はね亡くなった息子が高校の時 修学旅行で北海道に来たんですよ。その時に網走まで来たかったんだけど旅行のコースに入っていなくて 何時か網走に行きたいと云ってたんで 息子の代わりに来たんですよ」と云い。

「息子さん亡くされたんですか?つらかったでしょうね」と聞くと 一瞬の沈黙の後に、

「息子の時も本当につらかったけれど 妻を亡くした時には この世の中に こんなにつらいことがあるのかと思いましたよ。なにが悲しいて これほど悲しいことはありませんでした。」

「えっ奥様もですか?」

「ハア 息子に続いて昨年亡くしましてねえ」

男性はあくまでも明るい。

「亡くなった息子のために家内と2人で 網走に寄りながら北海道旅行を計画していたんですが、突然に病気になって3ヶ月で逝ってしまいました。本当にあっという間でした。だから今日一緒に旅行しようと思って 写真を車に積んどるんですよ」

「友達に奥さんを大事にしすぎると早死にするゾと冗談で言われていたけど、その通りなってしまいました」そう言って男性はまた笑った。



そしてでも・・・とつづける。

「僕は妻が本当に好きでした。だからなぜこんなことになってしまうのかと ずっと思い詰めて来ました。でもこの頃1人の女の人をこんなにも好きになって、こんなにも愛せるなんて・・・そんな自分がやっと好きになれましてね」とサラリと言う。

恋人同士ならそれはもちろん当然のことで むしろそうでなくてはおかしい。でも この50歳は過ぎていると思われるその大柄でよく日焼けした男性の口からその宝石のような言葉を聞くとそのまま冷凍保存しておきたくなる程切なくて甘いのだ。

「いいお話ですね」と言うと

「イヤー悪かったね 忙しいのに・・・今まであまり人に話たことなかったんだけどね。まあ、話せるようになったってことは やっと一山越えたってことカナ」

今度はテレたように笑われた。

この男性を包み込む フッ切れたような笑顔の意味が少しだけ分かったような気がした。

「来月は妻とアラスカに行くよ。満天の星を見にね。ありがとう。いい思い出になったよ」

片手をあげて、車に乗り込む男性の後ろから オホーツクの夕日が追いかけていた。



著者:知床四季のエッセイ 村石孝枝(アトリエ夢民)
写真:オホーツクドットコム
1枚目:ラベンダー富良野市 7月
2枚目:ヒマワリ畑小清水町 10月
3枚目:チューリップ上湧別町 5月

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